『グランド・セフト・オートVI』のカバーアートを徹底考察
オリジナル版「バイスシティ」へのオマージュもたくさん
公開されたばかりの『グランド・セフト・オートVI』(以下、GTA6)のカバーアート。一見すると手がかりは少なそうに思えるが、実は驚くほど多くのディテールが隠されている。初お披露目となったキャラクターの顔ぶれから、興味深い乗り物やロケーションにいたるまで、スタイリッシュな9つのパネルを隅々まで分析し、あらゆる秘密と情報をかき集めてみた。この記事では、GTA6のボックスアートに描かれたすべてのディテールを徹底考察していく。
ヘリコプター
『グランド・セフト・オートIII』以降の歴代シリーズと同様に、本作のカバーアート左上パネルにもヘリコプターが描かれている。今回登場したのは、オリジナル版『グランド・セフト・オート:バイスシティ』で初登場し、現在は『GTAオンライン』の空を飛び回っている水陸両用ヘリ「シースパロー」だ。パステルカラーに彩られた新たなバイスシティの街並みを背景にホバリングするこのモデルには、コックピットへのステップ部分に固定式のミニガンが取り付けられている。実用ヘリの標準仕様として発射速度の速い軍用兵器が装備されているのは不自然なので、『GTAオンライン』のようにアフターパーツでヘリをカスタマイズできる要素が存在する可能性を示唆しているのかもしれない。
ジェイソン&ルシア
アートには、本作の主人公であるジェイソン・デュヴァルとルシア・カミノスの姿が描かれている。公式サイトによると、「詐欺師や犯罪者に囲まれて育つ。荒んだ十代の過去を振り払うべく従軍した後、キーズを拠点にするヤクの運び屋のもとで、自身の得意とすることを活用している。何か新しいことを始めるときかもしれない」という。
トレーラーを見る限り、彼のガールフレンドであり犯罪のパートナーでもあるのがルシアだ。公式サイトの説明は、「家族のために戦った結果、レオナイダ刑務所に収監される。たまたま運に恵まれ出所できたルシアは、自身の肝に銘じる。今後は常に賢く立ち回ると」だ。このパネルの彼女はピストル(銃身が短く「チープ・ピストル Mk2」に酷似したモデル)を手にしており、これが彼女の言う「賢い立ち回り」なのかという点に疑問が残るものの、GTAの主人公にとっては極めて重要な装備であることは間違いない。背景には、これまでのアートワークでもおなじみとなったヤシの木のシルエットが描かれている。
バイク
命知らずの誰かが、鮮やかなスポーツタイプのバイクでウィリー走行を披露している。この車体は「プリンシペ アルヴィーノ V1」とみられ、2025年5月に公開されたジェイソンのスクリーンショット(以下を参照)で初登場したGTA6の新モデルだ。ただし、ジェイソンの乗っていた車体がグリーンだったのに対し、今回の車体はシンセウェイヴを思わせるピンクやパープルの色調で塗装されている。また、車体には複数のロゴがあしらわれており、地元のカスタムショップ「Vice City Customs」で、「Forza」シリーズにも匹敵するレベルのカスタマイズが楽しめるのではないかと期待が高まる。
ヘリと同様、このバイクもオリジナル版「バイスシティ」のカバーアートでバイクが描かれていたのとまったく同じ位置のパネルに収まっている。当時、シリーズで初めてバイクが導入された同作において、それは非常に大きな意味を持つ要素だった。
バイクと並走し、赤色灯を点滅させながらサイレンを響かせているであろう車両は「Vapid Police Cruiser」だ。この高速追跡車両は『グランド・セフト・オートV』のロスサントスの街頭でもっとも頻繁に見かける警察車両のひとつであり、レオナイダ州警察の車両ラインアップに、この車種が含まれているのは当然だろう。前回見かけたときからデザインがわずかに刷新されており、フロントのライトユニットや下部のエアベントは、トレバー、マイケル、フランクリンの好き勝手な行動を追い回していた車両のものとは少し異なって見える。しかし、プレイヤーにとっては相変わらず憎たらしいおなじみのパトカーであることには変わりないだろう。
謎の女性
作中では未確認と思われるキャラクター。オリジナル版「バイスシティ」のカバーアートを再現するように、ビキニ姿の謎の女性がドリンクを楽しんでいる。『グランド・セフト・オートV』のカバーアートに登場したブロンドの女性がそうであったように、この謎の女性も実際のストーリーには深く関わらないキャラクターである可能性がある。彼女がジェイソンやルシアの交友関係において重要な役割を果たすかどうかは、続報を待つしかない。
ただ、彼女がレオナイダ版「マイアミ・ドルフィンズ(NFLチーム)」のファンであることは推測できる。着用しているチームユニフォームのターコイズブルーが、マイアミ・ドルフィンズのチームカラーによく似ているためだ。なお、このNFLチームがゲーム内では「Vice City Manatees」という名前であることも第2弾トレーラーから判明している。さらに彼女の脇腹には「Vice Baby」というタトゥーがあり、この地域で生まれ育ったことをうかがわせる。手首にあるマイアミの市外局番を示す「305」のタトゥーもそれを裏付けている。首元のチェーンにはスペイン語で「いつも」を意味する「Siempre」の文字が見える。これが何かの伏線なのかは不明だが、本稿ではあらゆるディテールを拾い上げることを約束しているため、あえて言及しておきたい。
パネルのほかの部分に目を向けると、彼女はハードセルツァー(アルコール入り炭酸水)の人気ブランド「White Claw」のパロディと思しき缶を手にしている。全体は隠れているものの名前は「Thaw」という文字が強調されており、缶のデザインも本物に酷似している。公式サイトにある横長バージョンのアートワークでは、彼女の背後に「The Atoll Bar and Grill」という、これまでのトレーラーやオリジナル版「バイスシティ」には登場しなかった店舗が確認できる。彼女はここから出てきたばかりなのか、それともこれから入ろうとしているのだろうか。いくつかの謎はベールに包まれたままだ。
ワニ
歴史を踏まえると、GTAのカバーアートを飾るとは予想だにしなかった要素――それがワニだ。大きく開かれた鋭い歯の並ぶ顎は、観客に向かって微笑んでいるかのようにも見える。この際、「ワニは笑わないし、そもそも笑顔の概念すら理解していない」という単純な生物学上の理屈は、横に置いておこう。
ワニがカバーアートの一等地を占めているのは、もちろんGTA6の広大な新マップに広がる「グラスリバーズ」地帯を象徴するためだ。「レオナイダの王冠を飾る、飼いならせない宝石」と称されるこの湿地帯には、ワニよりもさらに凶暴な捕食者たちが潜んでいる。上の画像は以前公開されたスクリーンショットだが、泥まみれのハンターたちは銃と、戦利品の狩猟をこよなく愛しているように見える。グラスリバーズで待ち受ける大物は「レッド・デッド・リデンプション」スタイルの狩猟ミッションの獲物として最適であることは間違いないが、自慢の獲物を狙う地元のハンターたちの邪魔をする前には、二の足を踏むことになりそうだ。
ブービー・アイク
続いて、トレーラーにも登場した音楽プロデューサーであり、ストリップクラブ「ジャックオブハーツ」のオーナーでもあるブービー・アイクだ。精力的なビジネスマンである彼は、ビジネスパートナーのドレクァン・プリーストと共に「オンリー・ロウ・レコード」というレコーディングスタジオも経営している。この画像では、彼の指に王冠を被ったライオンを象った派手な金の指輪がはめられているのがハッキリと確認できる。これはアイクが自身を「レオナイダの王」と自負していることの現れなのだろうか。
ロックスターの公式サイトでは、ブービーについて「バイスシティの伝説とされ、そのように振る舞う男。ストリート出身でありながら、不動産、ストリップクラブ、レコーディングスタジオと複数の合法事業を成功させている数少ない人物のひとり。常に笑顔を絶やさないが、ビジネスの話となると表情を一変させる」と説明されている。GTA6のストーリーを通じて、プレイヤーは彼と協力することも、あるいは敵対することもあると考えてよさそうだ。
スーパーカー
超高額な高級車のないGTAのカバーアートなど、あり得ないだろう。左下のパネルには、シザードアを開いた、光り輝くイエローのスーパーカーが鎮座している。これはほぼ間違いなく、GTA世界におけるイタリアの高級自動車メーカー「ペガッシ」による新型モデルだ。実際、この車両は鮮やかなライムグリーンの塗装を施された状態で、バイスシティの街を疾走する姿が第1弾トレーラーと、第2弾トレーラーの双方で確認されている。
ランボルギーニのアヴェンタドールから強い影響を受けていると思われるこの車は、アヴェンタドールの前身であるムルシエラゴをベースにしていた「インフェルナス」の、作中における後継モデルの可能性が高い。同時にこれは、ランボルギーニの名車であるカウンタックをベースにした黄色いインフェルナスが描かれていた、オリジナル版「バイスシティ」のカバーアートへのオマージュでもある。
ラウール・バティスタ
カバーアートを飾る栄誉を手にした最後のキャラクターは、ロックスターの公式サイトで「自信、魅力、狡猾さを兼ね備えたベテランの銀行強盗。大きな見返りのためにリスクを冒すことを厭わない才能ある人材を常に求めている」と紹介されているラウール・バティスタだ。
彼はDuke社製のアサルトライフルを手にしている。興味深いことに、Dukeは「レッド・デッド・リデンプション」の世界に登場する銃器メーカーであり、同作の世界に存在する企業がGTAのHDユニバースへと進出した初の事例となる。過去2回のトレーラーでも、リボルバー、2種のアサルトライフル、スナイパーライフルなど、Duke社製の銃器が複数確認されている。
彼が立っているのは「Sinfrontera National Bank」の前であり、彼ほどのベテラン強盗にとっては、まさに庭のような場所だ。ロックスターが十八番とする大胆な強盗ミッションの一環として、プレイヤーがラウールと共にこの建物へ潜入するミッションに挑むと予想するのは極めて自然だろう。ちなみに、スペイン語の「Sin Frontera」は「国境なき」を意味し、チリやスペインとの間でビジネスを展開する実在の銀行「CNBFL(City National Bank of Florida)」がモデルになっている可能性がある。
ボート
オリジナル版「バイスシティ」のカバーアートへのさらなるノスタルジックなオマージュとして、マイアミを思わせる水上を突き進むボートを真上から捉えたアングルが採用されている。ここでは、数人のグループがClarion社製のスピードボートに乗っているのが見える。この船舶ブランドは、第1弾トレーラーで貨物船の脇を猛スピードで通り過ぎていたものと同じだ。ClarionはGTA6で新たに導入されたボート製造メーカーであるため、このボートの正式名称はまだ判明していないが、デザインは実在するボート「Cigarette Top Gun」から着想を得ていると思われる。アートでは上空をフラミンゴが飛んでおり、一行がレオニダ版エバーグレーズにあたるグラスリバーズ周辺を航行していることを示唆している。フロリダでは、この種の水辺の鳥は主にエバーグレーズで見られるからだ。
カバーアートの公開とともに、予約購入の受付開始時期も告知された。予約開始は2026年6月25日だ。プラットフォームはPS5/Xbox Series X|S。