リブート版『Fable』に抱く大きな期待と懸念 美しいビジュアル、楽しいユーモア、道徳的選択が特徴のRPG

人気だった犬を出さない理由も聞いた

リブート版『Fable』に抱く大きな期待と懸念 美しいビジュアル、楽しいユーモア、道徳的選択が特徴のRPG - Fable(2026)
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「Fable」リブートについて見て、本当にとてつもない衝撃を受けたと私はまず言いたい。この新しくなった『Fable』を開発するPlayground Gamesは、素晴らしいオープンワールド作品を次々と生み出してきたスタジオなので期待していた。「Fable」はXboxが所有するなかでも最大級のフランチャイズであり、復活に携わるチームの計画について具体的に知ることができた私は、これまで以上に大きな期待をもつことができた。本作でPlaygroundは、ForzaTechエンジンを使用している。中世イギリスの絵葉書のような美しい風景の中で、奥深い戦闘が楽しめて、大勢のNPC住人たちからロマンスの相手を選び、一緒に子供を育てて、離婚もできて、住人たちの地主にもなれる。また、うろついているニワトリを蹴り飛ばすことも可能だ。

直近のDeveloper Directでは大きな『Fable』の発表があり、私はディレクターであるラルフ・フルトン氏と今回のリブート開発の中での方針についてインタビューを行うことができた。さまざまなことを聞くことになるはずだが、まずは「Fable」シリーズの歴史について手短にここで解説するとしよう......。

「Fable」シリーズが歩んだ歴史

初代Xboxで2004年に発売された最初の『Fable』は、素晴らしい作品であった。当時のディレクターは、伝説のストラテジーゲーム開発者であるピーター・モリニューであったため、少々の騒動は発生していたが。彼は「植えたドングリが、ゲームの進行とともに成長して成木になる」といったクレイジーな要素を発売前に多々発表していた。喧伝されていた高すぎる理想が実現することはなかったが、Lionhead Studiosが開発した『Fable』は豪華で作りこまれた、独創性のあるイギリスのおとぎ話が楽しめる作品であった。プレイヤーは具体的な変化を起こすことができ、良い行いをすれば頭に天使の輪が乗せられて、邪悪に振舞っていれば頭から悪魔の角が生えてくる。街の住人と結婚して、規模が大きなメインクエストとは別に普通の人生をアルビオンの中で楽しむこともできた。

LionheadはXbox 360の続編『Fable II』で、このシリーズの枠組みを完璧にしたと言えるだろう。本作では犬が追加され、ストーリーの中でつねに相棒となる。『Fable III』は前作から500年後の世界を舞台(つまり舞台であるアルビオンの見た目や雰囲気も完全に変化してしまった)にするという、今から見ると疑問の余地がある方針の作品だ。それからマイクロソフトは、本シリーズを4対1で戦うマルチプレイヤー作品へと変貌させようとしたが、それがもとでLionheadは閉鎖してしまい(この詳細については長くなるので別の機会に)、マイクロソフトはシリーズにトドメを刺してしまったのだ。その後、「Fable」シリーズは10年以上にわたって休止状態となっていた。

だがそこに、Playgroundが登場する。マイクロソフトのドライビングゲームシリーズ「Forza Horizon」を開発しており、大ヒットを毎回記録してきたスタジオだ。フルトン氏は、Playgroundでは『Forza Horizon 3』の開発後から2つ目のチームを結成しようとしていたと話す。そして「誰が『Fable』と最初に発言したのかは忘れましたが、私は『まさにこれだ、本当に我々に適した作品だ』とすぐに気づきました。我々は『Fable』シリーズに敬意をずっと抱いていたし、今もそれは変わりません」

「それから話が始まって、かなりのスピードで進行していきました。もうあらゆる人間、少なくとも我々と話したXbox側の人々は、『Fable』の開発はイギリスのスタジオであるべきだと確信していました。Xboxと我々は強固な協力関係を確立しており、我々が開発する『Forza Horizon』の重要性ともたらす成功はどんどん大きくなっていて、さらに成長したいという大きな意欲も我々にありました。そこから企画がどんどん進んでいきましたね」

引き継がれたものと刷新されたもの

Playgroundスタジオがもつ「Fable」への敬意は、公開された『Fable』のゲームプレイの様子からはっきりと見ることができる。ホブやバルバリンのような敵が登場し、剣を振るい、魔法を詠唱している様子がそこにはあるのだ。そしてイギリスならではのユーモアや魅力も健在だ。ニワトリ化する呪文が解除されて相手が元の姿に戻ったのにもかかわらず、まだ腕をパタパタさせてニワトリのように鳴いている様子を見ることができる。ニワトリアーマーもあるし、ゲームの最初は子供としてスタートするのも同じだ。

Playgroundは、ゲーム内ゲームである「街の経営」要素を緻密に作りこんでいる。ここが、私のような「Fable」ファンたちの心をいちばん奪う部分だろう。『Fable』の都市部では、お金さえあればどんな不動産でも購入することが可能。そこから愛される地主にも、憎まれる悪徳地主にもなれるようだ。もし事業を買収したならば、優しい上司にも最悪な上司にもなれる。あらゆる人間とデートや結婚を行い、子供をつくることもできるし、望むならば離婚もできる。鍛冶など、自分から仕事をすることも可能だ。

新たな『Fable』が過去作品と大きく異なっているのは、道徳的な選択だ。フルトン氏によれば、善悪の2つにはっきりと分かれたものではなくなるという。天使の輪や悪魔の角が生えてくることも今回はない。本作では、都市や町にいる人物にプレイヤーがどのように対応したかによって、個人が独自の評価を持つようになる。つまり、ある町ではプレイヤーが守銭奴と貶されていても、別の町では聖人として崇められていることもあり得る。ただのプレイ時間稼ぎにしかならないプロシージャル生成要素は現代のRPGで特に嫌いなものだが、うれしいことに『Fable』では本当に見当たらない。フルトン氏は、あらゆるNPCがユニークで、人の手で作られて、完全にボイス付きのキャラクターだと教えてくれた。今の時代では本当に新鮮なことであり、『Fable』の製品版を手に入れた際にはできる限り多くのNPCと会話してみたいと私はワクワクしてくる。

ティーザー映像による巧妙なミスリード

それぞれの主人公が独自の物語を持てるようにする目標は、アルビオン大陸という全体の世界でも変わらない。デイブという巨人が登場した、2023年に公開されたティーザー映像を覚えているだろうか? 実は新たな『Fable』の物語は、「ジャックと豆の木」を中心にしたものではなかった。デイブは「田舎の自己中心的な庭師」であり、巨大化できる魔法の成長薬を発見した人間であった。これに対してプレイヤーは、どう対処するかを選ぶことになる。「見逃す」か「殺す」かを。見逃すならば、デイブを元通りの大きさに戻す方法を探して、友達になることに。殺すならば、デイブの巨大な死体が町外れの丘の上で永久に横たわる結果となり、周囲の不動産価格も下がってしまう。

巨人のデイブがただのクエストにすぎないならば、あのティーザー映像が私に信じこませた内容とは異なり、今回の『Fable』はオリジナルの「Fable」作品から世界設定的に大きく変化したわけではないということだ。私はフルトン氏に、『Fable』は完全なリブート作品となるのか、それともLionheadが開発した過去作品と何らかのつながりがあるのかと、直球の質問をぶつけた。彼は「無回答」にしては、かなり情報を開示する形で答えてくれた。「その質問には答えられません、ライアンさん。理由をお教えします。Developer Directで少しは物語について触れますけども、我々がいちばん行いたかったのは、具体的にゲームの詳細について明らかにして、人々が当然ながらもっているであろう本作への疑問に対してすべてに回答していくことです。物語について我々はさらに話す予定がありますが、現時点ではその質問にはイエスともノーとも返せません」

「この作品がなぜリブートであるかといえば、我々がアルビオンで描きたい物語のスペースを確保するのがとても重要であると感じたからです。本作が続編ではない理由もここにあります。『Fable』原作の歴史・出来事・キャラクターが必ずしも関わってくるわけではないですが、本作の世界設定などについてはある程度紹介しますし、過去の『Fable』の世界設定も我々の『Fable』の物語にとって本当に大事なものになっています」あなたは、フルトン氏の回答を聞いてどう思っただろうか......?

私が持つ大きな懸念

新生『Fable』では美しいビジュアル、楽しいユーモア、意味のある道徳的選択、そして典型的なイギリスの趣を見ることができた。Playgroundは、今回の任務を深く理解しているようだ。スタジオの立ち上げ当初から優れたゲームを輩出しているスタジオであるため、今の時点でもすでに彼らに大きな信頼を寄せられるのも、先ほど書いた。ならば、私が持つ懸念とは何なのか? それは「Fable」シリーズでも欠かせない部分、戦闘についてだ。

これまで発表された映像を見ただけで、『Fable』の戦闘について評価しているわけではない。私もまだ実際に遊んだわけではないし、そんな暴挙はできない。だが、優れたスタジオであるPlaygroundも、戦闘があるゲームを作ったことはこれまでに1回もないのだ。仮に戦闘が残念であったとしても、楽しい不動産事業やNPCとの関係構築も台無しになるわけではないが、もし『Fable』でバルバリンとの戦いに熱中できなければ大問題となるだろう。

これまでに見た『Fable』の情報から、私が感じた唯一残念な点を挙げるとすれば、プレイヤーの4本足の相棒は馬しか見当たらないということだ。今回の大きな発表で犬が明らかに不在だったので、フルトン氏にはなぜ犬を出さない方針にしたのかと聞いた。「私が犬を出さない判断をしたので、チームの中では私がこういう質問を受けるのを楽しみにしている人々がいましたね。おわかりかもしれませんが、開発上の都合ですね。この件に関して私がさらに詳しく言う必要はないんですが、この犬を出さない決断をした私を許していない人々がチームの中でもたしかに存在することは教えておきます」

ゲーム開発はとても難しいことだと私も熟知しているし、彼にも『Fable II』の目玉要素を本作では出さなかった理由がおそらくあるはずだ。フルトン氏自身もLionheadが手がけた3部作の中で『Fable II』が特に好きだったと教えてくれたときは、さらに心が痛んだ。だが1人のプレイヤーとして、私には犬の不在を残念に思う権利がある。もしこの『Fable』の続編が開発されるときが仮に来たならば、新要素リストの中の最優先事項として仲間の犬がいることを願おう。

そして大きな期待

ただ全体的に見れば、この新生『Fable』に私は本当に期待していて、遊ぶのが待ちきれない。Playgroundが開発していることもあり、『Fable』へかけられている期待(ゲームの品質はもちろん、PlayStation Studiosが開発する作品のようにGOTYを狙えるシングルプレイ作品が、XboxとPlayStation向けに発売されるのだ)は、マイクロソフトが発売予定の膨大なファーストパーティ作品の中でも、最大級に高い。

まだはっきりとした発売日は確定していないが、Playgroundは本作が今秋に発売されると発表している。これは「11月より前」ということだろう。2020年代の大部分を開発に費やして「Fable」シリーズをリブートするというのに、GTA6というゲーム業界を揺るがす巨大隕石と直接対決しようとするのは、無謀すぎるからだ。新生『Fable』が、莫大なポテンシャルを活かした傑作になることを祈っている。

※本記事はIGNの英語記事にもとづいて作成されています。

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